2025年7月18日
高速道路に対応した無線給電道路とは
道路空間における脱炭素化技術の導入促進に向けて、今後、規制緩和の動きが活発化することが期待されています。このような状況の中、高速道路を通行するEVに無線で電力を供給する無線給電道路は、EVに搭載するバッテリー削減などを促進し、トラックなどの大型商用車のEV化やCO2排出量削減に貢献する技術です。
無線給電道路の特長
- 高速で走行するEVに連続給電可能
- 伝送効率:平均66%、最大71%
- 受電電力:6~7kW
- 時速60kmで連続受電を確認
- 社会にもたらす便益
- EVの電欠不安の解消
- バッテリー搭載量削減による車両価格の低下
- 車体軽量化による電費向上・道路の長寿命化
- 施工性や維持管理に優れた舗装構造を実現
- 道路施工やメンテナンスは、在来工法と同様
- 高速道路の交通量で大型車両が走行可能

無線給電道路の建設
当社は走行中のEVへ無線で電力を供給する電界結合方式の無線給電試験道路を開発し、大成建設グループ次世代技術実証センター(福島県田村市)の「舗装のテストトラック(次世代舗装試験所)」に、「T-iPower Road」を建設しました。
「T-iPower Road」は、高効率で電力を供給するために特殊な舗装材料・断面で構成されます。当実証センターでは20mの区間で施工実験を行いました。



社会実装に向けた今後の取り組み
今後、磁界結合方式を含めた無線給電道路の建設技術開発、荷重車による長期耐久性評価と更新・メンテナンス手法の検証、高速走行中給電などを進める予定です。 将来のカーボンニュートラル社会を見据え、低炭素化に対応したインフラの発展に貢献できるよう、無線給電道路の実用化に向けた研究開発を進めてまいります。
この動画は、時速60kmで走行する車両に牽引されたトレーラー(受電電極搭載)に道路側から電力5kWを無線で送電した場合の走行中無線給電実験の様子です。